欽ちゃんとびのせい?
欽ちゃんとびのせい?
妊娠検査薬で陽性反応が出た次の日、早速病院へ行った。
「えーと、るんばママさん、生理はきませんかぁ?」
「はい。それで、昨日検査薬で検査したら反応があったんですけど・・・」
「そうですかぁ、検査薬で反応があればほぼ間違いないとは思いますが、ちょっと見てみましょう」
と言って、内診台へ・・・・
診察が終わったら
「そうですねっ。まだ袋ですが、ちゃんと妊娠してます。おめでとうございます」
と写真を見せられた。
「大事な時ですから無理をしない様にして下さいね。何もなければ一ヶ月後に来てください。じゃあ妊娠の説明と、ちょっと検査を受けて行って下さい。」
ちょっと前から下腹が時々キューンと痛かったので先生に訴えてみた。
「あのー、お腹が痛い時があるんですけど・・・」
そう言ったのに、先生は何にも答えてはくれなかった。
それから、血液検査や身長体重を量って、妊娠についての簡単な説明を聞いて帰った。
午後から仕事へ行った。お腹の中に新しい命が・・・・と思うとうれしくてうれしくて、早く誰かに言いたい。でも、旦那より先に他人に言うのもヘンかぁ~。
でも言いたい。えーい言っちゃえ。
「実はさぁ、今日遅刻したのは、病院行ってきたの。」
「どっか悪いの?」
「そうじゃなくて、赤ちゃん出来てた・・・・」
「うっそーっ!ホントに?よかったねっ。おめでとう」
そう言われたあとに、
「てっきりまつ毛パーマでもかけに行ったかと思った」
仕事中にまつ毛パーマをかけに時々行ってたので、イタイところをつかれてしまった。
会社の人は、急にいたわってくれる。ちょっと小走りすると、走っちゃダメ!と・・・重いものも持ってくれた。やっぱり女の人の方が気をつかってくれる。ありがたいありがたい(⌒▽⌒)
それにしても、なんで妊娠したんだろう・・・?結局7月20日の生理を最後に妊娠した。排卵があったからなんだけど、自分でもなんか不思議な感じがする。でも、欲しかったし、子宮がんだと思い込んでたから赤ちゃんの誕生が待ち遠しくなった。
そして、10月18日、旦那様は翌日から新潟へ実家の家族と旅行へ出掛けるため21日まで家をあけることになった。
あちらの両親には妊娠の事はまだしばらくは言わないでほしいと頼んだ。ある程度安定するまではなるべく言いたくなかった。
翌日10月19日の夜9時ごろ、(そういえば今日はうんち出てないなぁ~)思ってトイレへ・・・
お腹がちょっと張ってるカンジがしてた。でもお腹に力を入れて踏ん張ってみた。
結局出なかったんだけど、ふと便器を見ると、血が・・・・
身体が震えだした。とっさに母の元へ行き、
「お母さん、今トイレ行ったら出血した・・・・」
声まで震えてる。涙が出始めた。
「どうしたらいい?」
お母さんにもどうしたらいいのかは分からなかった。とりあえず、シャワーだけ浴びて、すぐに横になった。でも眠れるわけない。涙がぼろぼろ流れて止まらない。
(私の赤ちゃん、どうしょう・・・死んじゃったらどうしょう・・・)
どうしてもマイナスに考えてしまうよー。
なんで、こんな時に限って旦那はいないんだー。一番そばにいてほしい人なのに、なんでそばにいてくれないのよぉぉぉん。ムカついてもくるし、泣けてくる。
ケータイに電話してみた。
「こちらはNTTドコモです。お掛けになった電話は電波の・・・・・・」
なんでよぉ、なんで電源切ってるのぉ?何十回と掛けた。でも一度もつながらない。仕方なくメールで送信。
“何時でもいいからこのメールに気付いたら電話下さい”
朝まで待った。電話はかかってこなかった。私もほとんど眠れなかった。
病院へ出掛ける準備をしている時にやっと旦那から電話があった。
充電器を忘れてしまったらしく、使わない時は電源を切ってたと言った。それって、ケータイの役目ないじゃん・・・
ずっと我慢していた涙がどーっと出てきた。説明しようにも声が震えてうまく言えない。本当は今すぐにでも新潟から帰ってきて欲しかった。すぐ帰るよって言って欲しかった。でも、私は一人でも平気だよっみたいなカンジで強がって電話を切った。
そして、会社の先輩に電話を掛けた。
「昨日の夜、出血しちゃって、これから病院行って、診察によっては休むかも・・」
この声も震えてうまく言えない。なぜか涙が出ちゃう。
なんとなく、お腹の赤ちゃんに危険が迫ってるのを感じました。これって、もしかして、欽ちゃんとびしたから?
心臓がバクバクした。流れてくる涙を一生懸命我慢しながら病院へ向かった。